子どもがいない人生を、
「これで良かった」と思えるようになるまでには、
少し時間がかかりました。
はじめは
将来のことを考えるたびに、不安の方が大きかったと思います。
老後のこと。
周りの家族との違い。
周りと比較しては不安になって
答えのない問いを、何度も繰り返し考えていました。
親戚や友達も、子どもがいる家庭が当たり前で、
将来の話も、自然と「子どもがいる前提」で進んでいきます。
そして
周りから何気なく言われる言葉に、何度も心が揺れました。
「子どもはまだ?」
「一人くらいいた方がいいんじゃない?」
「親孝行だと思って」
悪気がないことはわかっていても、
その言葉は、少しずつ自分の中に積み重なっていきました。
自分たちの問題なのに、
まるで「足りない人生」を歩いているような気がしてしまったことも。
当時は、公園を歩くのもつらいと感じることがありました。
楽しそうに過ごしている家族連れの姿を見るだけで、
胸の奥がざわついてしまったりもしました。
ショッピングモールでも、
賑やかな家族の笑い声が聞こえるたびに、
そこに自分がいない現実を、突きつけられているような気持ちになって
穏やかな気持ちで景色を見ることができなかった時期がありました。
でも今は、同じ公園を歩いても、
ただ静かに季節を感じながら歩けるようになりました。
何かが変わったというより、
この暮らしを、自分たちなりに受け止められるようになったのだと思います。
子なし夫婦で良かったと思う瞬間は、
特別な出来事があった日ではなく、
むしろ、何気ない日常の中にあります。
朝、同じ時間に起きて、
それぞれのペースで一日を始めること。
静かな部屋の中で、
コーヒーを飲みながら他愛のない話をする時間。
そんな小さな時間の積み重ねが、
今の私にとっては、何より大切なものになりました。
▶︎夫婦で同じペースで暮らすと、気持ちがすれ違いにくくなった理由
子どもがいないから不幸、
子どもがいるから幸せ、
そんな単純なものではないのだと、今は思います。
どんな暮らしでも、
その中で何を大切にしていくかで、感じる幸せは変わっていく。
私たちにとっては、
静かに整った日常を、二人で守っていくことが、
いちばん大切なことでした。
将来の不安が、完全になくなったわけではありません。
それでも、
この人とこの暮らしを続けていきたいと、
自然に思えるようになりました。
特別な何かがあるわけではないけれど、
何気ない日々の中で、
「この暮らしで良かった」と思える瞬間があります。
それが今の私にとって、
何よりの安心になっています。
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