不妊治療をやめた日、
気持ちがすぐに切り替わったわけではありませんでした。
「これで終わりなんだ」と思った瞬間、
やり切った感は全くなく
言葉にできない喪失感のようなものが残りました。
それまでの生活は、
治療を中心に回っていました。
通院の予定を確認して、
体調を気にして、
結果に一喜一憂する日々。
高度不妊治療に進んだ際に、シフト調整がなかなか取れないこともあって
仕事も辞めました。
長年の治療で貯金もすっからかん
未来は、いつも少し先にあって、
今を見ているようで、
どこか今を生きていないような感覚でした。
▶︎子どもがいない人生を、受け入れられるようになるまでの時間
治療をやめたあと、
最初に感じたのは、「時間が戻ってきた」という感覚でした。
通院の予定がなくなり、
スケジュールに余白ができました。
体温を毎日測ることもなくなった。
最初は、その余白をどう過ごせばいいのか分かりませんでした。
一つ夫と決めていたのは
夫婦二人の暮らしを私たちなりに楽しめるように暮らそうということ。
そして
少しずつ変わっていったのは、
夫婦で過ごす時間でした。
休みの日は一緒にスーパーに行って、
夜ごはんの献立を考えること。
あてもなく散歩して季節を感じること。
特別なことではないけれど、
そういう時間が、少しずつ増えていきました。
以前は、
「将来のために今を頑張る」という気持ちが強くて、
今の時間を、
どこか通過点のように感じていました。
でも、
治療をやめてからは、
今この時間そのものが、
自分たちの人生なんだと思うようになりました。
お金の使い方も、少しずつ変わりました。
将来のために、
ただ貯めることだけを考えるのではなく、
今の生活を整えることにも、
目を向けるようになりました。
無理のない範囲で積み立てを続けながら、
二人で出かける時間や、
日々の小さな楽しみにも、
きちんとお金を使うようになりました。
▶︎子なし夫婦の老後資金はいくら必要?不安だった私たちの現実的な考え方
治療を続けていた頃は、
夫婦でいても、
同じ方向を見ているようで、
どこかお金も時間も心にも余裕も余白もなかったように思います。
不安があると、
心はどうしても未来ばかりを見てしまいます。
でも今は、
同じ時間を、同じ歩幅で過ごしている感覚があります。
急がなくてもいい。
何かを達成しなくてもいい。
ただ、
二人で穏やかに暮らしていくこと。
それだけで十分だと思えるようになりました。
子どもがいない人生は、
最初に想像していた私たち夫婦の未来とは違う形になりました。
でも、
その中で見つけた時間があります。
焦らずに過ごせる時間。
静かに流れていく時間。
夫婦で笑って過ごせる時間。
それは、
治療をやめたからこそ、
気づくことができた時間でした。
これから先も、
不安がなくなることはないかもしれません。
それでも、
今のこの時間を大切にしながら、
自分たちなりの暮らしを、
続けていきたいと思っています。
将来のために準備することも大切だけれど、
今の時間を大切にすることも、同じくらい大切なんだと気づかせてくれた本です。
不安がゼロになることはなくても、
「今を生きる」という感覚を、少しずつ取り戻すきっかけになりました。
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